同窓会からのお知らせ。

同窓会からのお知らせ

2011年04月08日(金)宇都宮大学国際学部平成23年度新入生に送るメッセージ

宇都宮大学国際学部平成23年度新入生に送るメッセージ

宇都宮大学国際学部同窓会会長 吉葉恭行

新入生のみなさん、ご家族のみなさん、またここまで支援されてきた関係者のみなさん、ご入学おめでとうございます。

国際学部では106名の新入生と10名の編入生、国際学研究科では博士前期課程に30名、後期課程に5名が、それぞれ入学・進学あるいは編入されたと伺っています。

今年は3月11日の「東日本大震災」により入学式が中止になりました。残念なことでありますが、時間が経過するとともに明らかになってくる被災地のすさまじさと、いまだに解決のめどがたたない福島原発の様子を見ると、このようなイベントの自粛もやむを得ないことと思います。

入学された皆様の中にも被災地出身の方がいらっしゃるのではないでしょうか。同窓生のなかにも被災地出身の方がいらっしゃいます。この場を借りて、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。また、お亡くなりになった皆さまとご遺族に対し心から哀悼の意を表します。

多くの被災者や避難者がいらっしゃる現在、当面はそれらの方々への支援活動が最優先となりますし、支援活動に国力の全勢力を傾けてもらいたいと願わずにいられません。また、その後の復興まで視野にいれると5年、10年というスパンで考えなければならず、気が遠くなるような道のりですが、一歩ずつ前向きに進んで行かなければならないと考えています。

今回の大震災とその後の原発事故に際し、国内の他の地域からのみならず、全世界から支援の手がさしのべられています。このような時ほど、支援の手をさしのべてくれる人の心の温かさを大変ありがたく感じることはありません。

新入生のみなさんの今日の喜びは、ご自身の努力の結果であることはもちろんですが、ご家族の温かい愛情と、これまでみなさんをご指導くださった諸先生方、さらには友をはじめとする多くの方々の支援があったからだと思います。あらためて周囲の方々へ感謝する気持ちを確認していただきたいと思います。

さて、新入生の皆さんは大学生活のスタートです。生活の中心はもちろん学問ですが、社会にもしっかりと目を向けて欲しいと思います。今、社会では、グローバル化が進み科学技術や経済が発展する一方で、環境問題や国際紛争問題、そして格差問題など様々な問題が顕在化してきており、いろいろな立場から意見が述べられているところであります。

これらの問題は、工学・農学のような科学技術分野の研究成果のみで解決できるものではありませんし、また社会科学の分野のみでも解決できるものでもありません。それぞれの分野が専門知識を持ち寄って、自由に議論していくことが、解決の糸口をつかむ道ではないかと私は考えています。

みなさんには、それぞれの専門分野の学問をしっかりと修めていただく一方で、幅広い教養を身につけられることを希望いたします。農・工・教育・国際とそれぞれの学問分野のバランスがとれた宇都宮大学に入学されたのですから、学部内はもとより学部を超えた交流を試みてはいかがでしょうか。

また、この大震災に関連して、学生が復興支援のためのボランティア活動に携われるよう環境整備する旨の要請が文部科学省から大学に通知されているようです。可能な方は活動に参加されてはいかがでしょうか。活動に直接従事されなくとも、大震災とその後の原発問題を社会科学の課題として捉えて研究されるのも良いと思います。またボランティア活動の現場から見いだす研究課題もあることでしょう。

みなさんの学生生活を微力ながら応援していくこともわれわれ同窓会の役割の一つであると考えています。学部入学のみなさんはこれから4年間、編入学のみなさんは2年間、大学院のみなさんは2年から5年、しっかりと学問を修め、また幅広い教養を身につけ、充実した学生生活を過ごされることをお祈りいたします。われわれ同窓会も、みなさんを応援していきたいと思います。

平成23年4月8日

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